やまね工房 落合けいこ のブログです。

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やまね工房通信

1987年10月10日から1995年3月10日までのやまね工房通信です。

やまね工房 網走店


〒093-0000 北海道網走市湖の口(地図)
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2006年3月1日

やまね

やまねは商品にもなっている、当工房の看板動物である。


 一点ものの作品も何度も作った。
しかし、正直言ってなかなか満足のゆくものに仕上がらない。
ちょっとむずかしい動物である。
そもそも本物の野生のやまねに最初に出会ったのは、じつはぬいぐるみ のやまねを作った少しあとだった。

 ふしぎな巡り合わせというか、それは清里の、いまではやまね ミュージーアムとして使われている建物がたしかまだ出来たばかり のころだった。
冬のはじめ、がらんとしたその建物の中でデスクの引き出しから出て来た という丸い毛玉を見せてもらった。
そこで冬眠するつもりだったのか、それともちょっと一眠りした だけだったのか、とにかくそれは丸くなって眠っていた。
とても小さくて、なによりぬいぐるみのやまねにそっくりだった。
今から考えるとあとから見た何頭かのやまねと比べて、それは幾分小振りで、たぶんその年に生まれた若いやまねだったのだろうと思う。

 その後、日本のやまね研究の第一人者である湊秋作氏(現やまねミュージーアム館長)のおかげで、生きて動いているやまねや野外のやまねを実際に見せていただいたり、お話をたくさん伺う ことが出来たのだが、知れば知るほどやまねという動物は不思議な動物なのだった。
ねずみのような形をしているが、生活のほとんどを樹上でしているためか四肢は短く見た目はハムスターのようだし、普段は果実や花、花の蜜などを食べているようだが、実は昆虫も好物であってあるときは  素早いハンターでもある。
体温を下げて長い間何も食べずに冬眠し、つついても動かないくらいなのに、夏にはびっくりするくらい素早く動いて木から木へ飛び移ったり・・・・

 それから、ニホンヤマネは九州、四国、本州にだけいる、日本固有の種類である。
冬眠中のやまねをじっくり観察したら、だぶだぶの皮膚のひだをポケットのようにして手足を全部隠し、体の毛が立っている上に耳もたたんでいるので目や耳や手足がどこにあるのか、一見してもわからない
完璧な防寒スタイルだった。
夏と冬の姿には大きなギャップがある。それで、これをリアルに作るのはなかなか難しい。

 いくつかリアルなやまねを作るうちに、だんだん進化はしてきたのですが、とても奥が深くて、何度作っても次はまたもう少し、と考えこんでしまいます。
手前みそですが、最初からずっと商品として作っているやまねは、細部をきっち り作っているわけではないのですが、ぱっと見た感じ、本物にそっくりです。
もう20年以上も、みなさんにかわいがっていただいているのは、そんな ところもあるのかもしれません。



 数年前に、清里に移られた湊先生と一緒に、みんなでやまねを見てやまねを 想い、それをぬいぐるみにするというワークショップをしたことがありました。
そんなやまねや、いまでもやまね工房の商品として一匹ずつ、たくさんの 方たちのところにゆくそれぞれのやまねたちが、ぼーっと眠っているようで、 じつは素早いハンターであり、たくさんの人たちの手のひらに乗って、 ほんのひとときでも、静かな冬の森を想像してもらえるような不思議な力を 持っていると感じています。
湊先生や、たくさんの応援して下さっている方々に感謝しつつ・・・
しばらく冬眠したり、またすばやく動いたり、やまね工房もがんばらなくちゃね。

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