やまね工房 落合けいこ のブログです。

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やまね工房通信

1987年10月10日から1995年3月10日までのやまね工房通信です。

やまね工房 網走店


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2009年12月11日金曜日

野鳥いろいろ

2010/01/19 Update!

小鳥のぬいぐるみにたくさんの反響ありがとうございます。
コメントやお問い合わせもいただきましたが、数量が限定だったためご希望に添えず申しわけありません。
なにぶん製作者が約1名のみのため・・・

鳥は製作に手間がかかるので、ある程度まとめて作るようにしています。
他の仕事と平行できないので、一点製作ものはある程度まとまった時間のとれるときに製作しています。通常販売物のフクロウ類仕上げや、いろいろな展示物の製作、植物の作業や事務処理など、なにしろいろんなことをしているので、野鳥モードになるのに時間がかかるのです。

同じ理由でねこモードにもなかなかなれないので、ねこの製作もちっともできません・・・お待ちの方には申しわけないのですが、不思議と出来るときには出来るもので気長にお待ちいただけるとありがたいです。

今年は秋~冬に展示を予定しているので、今進行中のものが終わったら展示物の製作に入る予定です。展示物には鳥も作るつもりなのでご覧いただければ幸いです。展示が終わったらお分けすることも考えていますので、よろしくお願いします。

2010/01/19 Update! ここまでです。以下は発表時の記事です。

野鳥の姿を肉眼で見たり、双眼鏡で見たり・・・その姿はきびきびと美しく、光を浴びて輝く。しかし、どんな色でどんな形か、あとで思い出そうとしてもなかなか難しいもの。

ましてやどのくらいの大きさかは近くで手に取るわけにはいかないので実感しずらいものです。そんなことで、教材用の鳥のぬいぐるみを依頼されることが増えてきた昨今、今までは小さなものばかりだったのですが、今夏、某ビジターセンターからのお仕事でやや大きめのヒヨドリとムクドリが加わりました。

この鳥たちはほぼ同大の大きさで体重が入っています。くちばしは一点ずつ樹脂で製作し、羽の模様は手描きです。羽色は光の当たり方で違って見えたり、種類によっては地域や個体で違ったりするので全く同じとはいきませんが、数種の資料や実物を参考に出来るだけ近づけるよう努力しました。

安定しないのと壊れやすいのとで足は付けてありませんが、おしりの重りや形状で手のひらや何かの上に止まります。羽や尾羽はアートフラワーの材料を使い、細かい作業で部品も多いので単独で作ると大変な手間がかかってしまいます。そこで、この機会にまとめて少し多めに作り、数量限定ですが一部を販売させていただくことにしました。

全部で8種類です。

ムクドリ

ヒヨドリ

キビタキ♂

シジュウカラ♂・♀

スズメ

コゲラ

キクイタダダキ♂・♀

エナガ

野鳥観察の参考資料として、手元で触れる教材用として。または小さな切り株の台に載せてバードカービングのような室内装飾に。大きなものはちょっと重いし、インパクトありすぎなので向きませんが、エナガやキクイタダキはブローチやコサージュのようにピンで止めてアクセサリーとしても使えます。とってもおしゃれでかわいいですよ♪ただし、飛んでいかないようにしっかり止めてくださいね。

コチラからお買い物いただけます。

※野鳥の体重は個体や季節によって大きく異なるので、平均的なものであり得る体重ととらえてください。キクイタダキとエナガには重りは入っていませんが、実物もほぼ同じくらいの重さです。

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2009年6月30日火曜日

夏羽の水鳥たち

今回の作品は冬羽の水鳥たちに続き、夏羽の水鳥たちです。


カンムリカイツブリ頭

スズガモたちは北へ帰ってしまったので、居残りやほとんどが渡ってしまうものの夏羽が見られるカイツブリの仲間、そして近年近郊で繁殖も見られるセイタカシギの親子。今年の葛西臨海公園では残念ながら繁殖はなかったようですが・・・毎年渡ってきたり庭や裏山で繁殖する鳥たちを見ていると、本当に年によって違うということがわかります。

ツグミの仲間などは年によって数が多かったり少なかったり、去年今年は以前に多かったシロハラがほとんど見られず、代わりにここ数年見かけなかったアカハラを見たり、久しぶりにミソサザイに会ったり。

今年はルリビタキも来なかったし、カシラダカもほとんど見なかった。そのかわりソウシチョウの群れ見ちゃったけど・・・夏鳥も、ホトトギスは遠くで鳴いているものの、とうとうサンコウチョウは声も聞かず。もっとも姿を見たって人がいるから通過はしたんだろうけど。

今年はとにかくガビチョウがいっぱい!この頃はヒヨドリさながら庭の池もどきで堂々と水浴びをしている有様で、朝からさえずる鳥たちはイソヒヨドリ、ガビチョウ、メジロ、たぶんソウシチョウも・・・全く、日本の朝とは思えません・・・こんなことになっちゃったのは環境の変化ともどもいろいろな要因があると思うけど、やはり温暖化の色が濃いと思います。

だって、どう考えても南の島の朝みたいな感じだもん。野山の変化、雨の降り方、鳥の種類、などなど五感で感じちゃいますよ、温暖化。原因が何かは簡単に言えないと思いますけれど。

ということで、セイタカシギの親子、卵もひなも河原(海辺)の石ころみたいな彩りで、親とは似ていませんが、いずれセイタカのっぽのツートンカラーに衣替え、彼らもそのうち日本の鳥として定着するのでしょうか。ずっと以前にも渡来して繁殖していた時期があったかどうかはわかりませんが、鳥の中には世界中に分布を広げている連中もいるのです。

人間と同じくフロンティア精神か、それとも住処が住みにくくなったのか、はたまた温暖化の影響か?例えばイワツバメみたいに以前はごく限られたところにいたものが、近頃はコンクリート建築が増えたせいか町中でもいつのまにかツバメに取って代わって幅をきかせていたり。華奢に見えるセイタカシギも案外たくましいのです。一年中いると思われているスズメやヒヨドリも夏と冬とはメンツが違っていたり、避暑地で過ごしたり南の島に旅行したり・・・羽があるっていいですね。

さて、作品ですが、
カイツブリの仲間は体色にあまりバリエーションがないようで、使用生地に幅がないのでその点は楽でした。生活圏が水際と水中ということで共通しているのでだいたいそんなことになるのでしょうね。その分顔が派手!まるで飾りを貼り付けたようで、いささかとって付けたようですが、これで本物そっくりなんです、実は。夏羽は繁殖期の彩りなので、彼らはせいいっぱいおしゃれしているんでしょうね、きっと。どうしてこうなるのかわれわれにははかり知れませんが、きっとカイツブリたちの好みなんでしょう。


セイタカシギのひな


セイタカシギ親子


セイタカシギ♀


セイタカシギ親子


カンムリカイツブリ夏


手前ハジロカイツブリ夏羽


カイツブリ夏羽


カイツブリ3種

この頃はくちばしの樹脂に加えて目玉をカービング用のガラスアイにしているので、頭部だけ見るとかなりリアルです。カイツブリたちは体重入り、これから葛西臨海公園で活躍してくれることを祈ります。セイタカシギは関節可動仕様なので自立出来ませんが、背中からテグスで吊ればそれなり立っていられます。巣に座ることも出来るのです。

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2009年5月11日月曜日

新しい作品

3月に製作した教材用の作品。

以前から使用中のものが老朽化したため、再制作です。かれこれ10年くらいご使用いただき、前任はびよ~んと伸びて尻尾が折れたり・・・満身創痍の状態。

間が空いた分、使い勝手の修正とか、細かい部分の見落としを追加したりするので前のより進化しちゃったりします。でも以前の型があるのでそれを下敷きに製作。しかし、近頃数ヶ月前のでも使用生地とか部品とか忘れていたりするので・・・簡単にはいきません。

前の資料とにらめっこしながらもう一度いちからやり直し、って感じになります。資料を開き直すと、不思議なことに前には見逃していた新たな発見がたいていひとつやふたつあるんですね、これが。よく知っているなじみのいきものほどこの傾向があります。たぷん自分で勝手にイメージをまとめているんでしょうね。それで見るから本当のそれがちゃんと見えなかったりするわけです。今回ももう一度資料とにらめっこして製作しました。

【ムササビ】
ひとつはむささび。これはもう生地の生産がなくなってしまって、このような後継者製作用にわずかな残りを保存している中から、足りない部品を代用したりして製作します。白や黒、単色の1色だと似た生地が探せたりするのですが、微妙なミックス糸のフェイクファー風のものは今はもうほとんど日本では製造されていません。

石油製品の化学繊維ですが、加工に技術がいるのである意味職人技だったんですね。同じ材料で作っても、全盛期の加工量がなく、加工工場が廃業したりで今では同じ風合いのものは出来なくなってしまいました。

残念ですが、これも時代の流れ、大量の石油製品を消費してフェイクファーを作るのもどうかというものなので、着色やカットなど、製作者の技術でカバー出来るところはしようと思っています。それにしても、皮肉なことにそのような日本の職人技は一種の文化だったな~と、あらためて感じます。



【タヌキの親子】
もうひとつはたぬきの赤ちゃん。生まれたばかりのたぬきの赤ちゃんは真っ黒で、親のたぬきに似ていないので熊の子と間違えられることもあるらしいです。

以前、家の隣を仕事場にしていたおじさんが、革手袋の手にまっくろけでぴーぴー鳴く目が開いたばかりのそ・れ・を「これなに?」と持参されたことがありましたっけ。材料置き場の隅に隠したつもりか置き忘れた?か、とにかくそれは生後2週間ほどのたぬきの赤ちゃんでした。

そのときの印象、以前家にいた犬のポメラニアンが産んだ子犬にそっくり!大きさも雰囲気もまさに小形犬の赤ちゃんでした。そういえばおとなのポメラニアンもたぬきに似ていますが・・・いずれにしても、本来まだ巣の中にいるはずの野生動物の姿を実際に見るチャンスはほとんどありません。そのときも、その子の安全のために、すぐに居た場所に戻して様子をみてもらうようにお願いしたので、見た時間はわずかなものだったと思います。

そして、もうひとつの重要な資料はたぬき博士こと池田啓氏の著書です。氏は最近まで豊岡でこうのとりの野生復帰に取り組まれた数少ない社会派?研究者で、知る人ぞ知るたぬきの先生です。たぬきの赤ちゃんを育てた貴重な体験を児童書にされています。

研究者の著書なので、これが資料としては最適。というわけで、ひと目だけ見た本物の印象と、数少ない資料、あと子犬を育てた何十年前の記憶がないまぜになって出来たのがたぬきの赤ちゃん体重入り、です。おとなのたぬきは時間がなくて、展示用に作ってあった既製のもの。でもちゃんと親子に見えるよね?

むささび2頭(体重入り)とたぬきの親子、上野の国立科学博物館でたぶんお仕事しているはずです。



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【ご紹介】

↑で、たぬき博士としてご紹介させていただいた、池田啓氏の近著をご紹介します。



一昨年の暮れに出たフレーベル館の「コウノトリがおしえてくれた」です。数を減らした野生生物を増やし、野生復帰させるのはとても難しいことで、日本ではほかにアホウドリの例があるくらいです。
この本には池田氏が取り組んできた、野生生物と人の未来についてのひとつの希望が描かれています。

それから、作陶展があります。

とってもローカルな話題で、なおかつわたしはまだ始めたばかりなのでほとんど作品と言えるものがなく、とてもはずかしいのですが・・・(以前、こんな記事を書いています。)
  • 5月15日~17日午前10時~午後5時(最終日4時まで)
  • 伊東観光会館別館(〒414-0024 伊東市和田1-16-1)
陶芸教室の先生・杉山睦治氏と陶芸教室の仲間たちの作品展示です。
お近くにお住まいのかたはお時間があったらぜひお立ち寄りくださいませ!

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2009年2月13日金曜日

スズガモとカイツブリ

海と陸の間にある、野鳥のオアシス・・・渡り鳥たちが羽を休める貴重な場所です。


冬鳥としてやって来るスズガモの♂ちょっと変わったポーズなのは彼がパペットだから。葛西臨海公園で、会えたらいいね。
渡り鳥には大きく分けて初夏にやってきて日本で繁殖する夏鳥と、冬にやってきて越冬する冬鳥とがあります。

鳥たちは、季節の変動や繁殖などに合わせて、移動する生活をするものが多いのですが、中でも渡り鳥は国をまたいで、海を渡って、シベリアや北の海から、また東南アジアや大陸から、長距離を旅して日本にやってきます。そんな鳥たちを何種類か、冬羽と夏羽の違いや、重さがわかるようなものに、ということで製作させていただきました。



スズガモの♂(向かって右)♀(向かって左)



スズガモトリオ3羽



スズガモカップルの後ろ姿

ここ数年、けものの製作より魚や鳥のほうが多いかも・・・今年は最初の作品がキクイタダキだったし、なんか鳥つづき~ですね。

キクイタダキは極小・極軽でしたが、カモやカイツブリは潜水するという性質上か、けっこう重い!長距離を渡る連中は、渡りの前と後ではけっこう体重が変わるらしい・・・命がけの旅ですからね、当然のことでしょうけれど。

そんなわけで、葛西臨海公園の渡り鳥たち{(ただの)カイツブリは一年中います}をとりいそぎご紹介。

2月14,15とイベントがあるそうです。

渡り鳥が羽を休められる海岸、干潟が埋め立てなどで急速に姿を消し、鳥たちにとっての環境が変わってしまったこの頃。数少ないそんな場所にはたくさんの鳥が集まったりしています。しかし、繁殖地の環境が悪くなったり、越冬地や休み場所が変わってしまったりして、近年彼らの中には極端に数を減らした種もあります。



三種のカイツブリ冬姿・うしろの大きいのがカンムリカイツブリ、手前右がハジロカイツブリ、手前左が(ただの)カイツブリ



カンムリカイツブリ冬羽

渡り鳥についての研究も衛星調査などで進んで
いるようですが、国を超えてやって来る彼らのこと、毎年起こる気候変動の影響もあって、その実態を知るのはなかなか難しそうです。



カイツブリ冬羽



ハジロカイツブリ冬羽(右)とカイツブリ冬羽(左)

ここに来なくても、どこかにいるだろう。と思っていたらいつのまにかどこにもいなかった・・・なんてことにならないように、今ある貴重な場所をこれ以上なくさないでほしいものです。

葛西臨海公園・鳥類園の情報ブログもご覧下さい。今回ご紹介した作品も掲載いただいています。


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2009年1月29日木曜日

キクイタダキと小鳥

展示が終わって最初の作品は体重入りの小鳥でした。

キクイタダキ

年末までに仕上げようとおもっていたのですが、なかなか手がつかず・・・その間頭の中では型起こしが進んでいたのですが。年が明けて、3日くらいからとりかかり、一週間かかってなんとか形になるめどがつきました。

近くの自然観察ガイドをされているS氏の依頼で「キクイタダキ」と「シジュウカラ」。どちらも小形の野鳥で、シジュウカラは市街地や東京都内でも見られ、「ツツピー、ツツピー」とさえずるほっぺの白い小鳥、キクイタダキはちょっと標高の高い所に住む日本で一番小さな小鳥。

キクイタダキの体重はわずか6グラムで、「ミソサザイ」とともにもっとも小さい小鳥として野鳥好きには知られています。わたしは八ヶ岳山麓と、箱根で数回実物にお目にかかっていますが、小さくてかわいらしい小鳥です。名前の由来は頭のてっぺんに黄色い部分があり、頭の上に菊の花を載せているようなので、文字通り「菊戴き」ということです。

キクイタダキのペア

いつ命名されたのかはわかりませんが、なかなかしゃれた名前ですよね。黄色を菊の花に見立てたところなんか。シジュウカラなんかは、四十雀と書いて・・・どういう意味なんだか?いつもカラカラ言っているから、始終カラか?実際ツツピーツツピーの合間にカラカラ、カラカラ言っているように聞こえるんです。

シジュウカラの仲間をカラ類と呼ぶこともあるのですが、四十雀と雀の文字をカラにあてているところは、もともとすずめのことをカラと言ったのかもしれません。小鳥の声ってさえずっているとき以外はカラカラ、チュンチュン聞こえますものね。

さて、この小鳥たち、じつは数年前に教材用としてそれぞれ体重入りで5種類ほど作ったもので、双眼鏡などで観察する小鳥たちの、実際の大きさや色、重さや手触りなどが近くでわかるようになっています。

小鳥5種 上からコゲラ、スズメ、シジュウカラ、ヒガラ、エナガ

左からコゲラ、スズメ、シジュウカラ、ヒガラ、エナガ

重りがおしりのところに入っているので、足はないんですが手のひらに止まらせることができます。重たいスズメで25グラム程度、今回新たに製作したキクイタダキは約6グラムで、実際重りを入れる必要はありませんでした。

小鳥の色ってなかなか複雑で面白い模様なんですよ。スズメは枯れ草の地面に、コゲラは木の幹に、シジュウカラは木漏れ日の葉陰に、紛れて身を隠すように。良くできていますよね。でもキクイタダキの頭のてっぺんとか、エナガの白い体はなんでそんなふうなんだろう?ってちょっと疑問。

シジュウカラ

返って目立ちそうな気もするし・・・でもおしゃれだよね。たぶん彼らはそういう色になりたかった、のかも。

エナガの長い尾羽なんかは木の枝とかに同化する、というのもありそうだけど。

とにかく自然界の様々なバリエーションに脱帽です。今回、以前作ったシジュウカラに一つ疑問があって、資料をよく見比べたら、首の下からネクタイ状に伸びている黒い部分が、以前製作したものよりずっと太い写真がありました。シジュウカラは♂と♀の間に色の大きな違いはないのですが、これはきっと♂と♀の違
いだろうと思って、今回製作のものはネクタイを太くしてみました。

鳥好きでいつも観察している人には常識かもしれませんが、近頃双眼鏡をのぞく機会も減ったわたしには「勉強不足」「目からうろこ」の出来事でした。図鑑などでチェックしているつもりでも、詳しい資料でないとこういうところまではなかなか載っていなかったりします。身近な鳥でもあり、思いこみもあってよく見なかったり・・・。

ちなみにS氏にうかがったら、太い方が♂、とのことで、以前製作した♀と、今回の♂、合計2羽をお渡ししました。キクイタダキも、♂と♀、黄色いところをちょっとだけ変えてあります。小鳥の製作は、くちばしの形や色、すべて種類によって違うのでくちばしは樹脂粘土で手びねり、彩色はほとんど立体塗り絵の一点製作です。その分面白いのですが、大きさの割にけっこう骨が折れます。

スズメ

というか、じつは小さいほうが作るのは難しいんですよ。それで、鳥シリーズを作ろうという計画はあるのですが、なかなか進まず、S氏には1年以上もお時間をいただきました。どうもすみません・・・

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2008年11月4日火曜日

ヒグマのこども

夏前に作ったツキノワグマのこどもと、同じ流れでヒグマも考えていたのですが、それはこの秋、知床財団の設立20周年記念イベントがあって、出来たらそれに間に合わせたいなぁと思ったからです。




知床財団とは、網走のご近所でもありますし、やまね工房商品もずっと販売していただいていたりで、かなり長いお付き合いです。知床は自然遺産に指定されましたが、現地はヒグマの生息地でもあり、最寄りの町は漁業の盛んなところ、お客さんの受け入れや野生動物との距離など、いろいろと葛藤があったかと思います。それでも、高い密度でヒグマが生息する地でありながら、人身事故などのトラブルはほとんどなく、雄大な北の自然を楽しめる場所があるのは、現地の取り組みがあればこそです。厳しい自然な環境が開発を拒み、日本の中では、ごくわずかに残った特別な場所と言えるでしょう。




そんなことで、20周年の記念に、ヒグマにちなんだぬいぐるみを依頼されていたのですが、クマのぬいぐるみというのは他にたくさんあるせいか、オリジナリティーを出すのが難しくなかなか形になりませんでした。それでどうしたかって?ちゃんと作りましたよ、オリジナル「どんぐりひぐま」。これは別にご紹介するとして、そのほかに、やまね工房からのプレゼントとして作ったのが、ヒグマのこどもたちです。




さて、ヒグマを作るときに、ツキノワグマを下敷きにしようとしたのですが、やはりプロポーションがかなり違います。手足も長いし、顔も長いし耳も大きいし・・・何と言っても野生動物の迫力がある。なんだか獣臭い、っていう感じ。それが出せたら・・・と。まあ実物より頭や手足がデカイのはぬいぐるみですから、大目に見てもらって。どうですか、けっこう迫力あるでしょう?




2体を知床に送り、1体はレクチャー用に使って下さるそうです。そして、もう1体は・・・1点製作なので、全く同じ、とはいかないのですが、10体程度(材料があるだけ)限定で、注文製作することにして、その見本モデル。ご注文は知床財団にしていただき、彼らは知床のヒグマを代表して?ちょっとだけでもみんなのお役にたてば・・・と。

3頭目は、じつは「いきものつながりアート展」に連れていく予定です。コラボレーションコーナーの重要な登場役者になる予定です。
そんなわけで、今回の作品は実物大ヒグマのこども。ちょっと高価で、製作に2~3ヶ月かかりますが、ご希望、お問い合わせは下記にお願いいたします。知床に旅行される方はぜひ現地で会ってやってくださいね。

お問い合せ先
| 財団法人 知床財団
| 担当 鎌田
| TEL:0152-24-2114 FAX:0152-24-2115
| E-mail : info@shiretoko.or.jp

| 〒099-4356
| 北海道斜里郡斜里町字岩宇別531番地(地図
| 知床自然センター内

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2008年9月6日土曜日

コツメカワウソの親子

カワウソ・・・日本ではかつてカッパのモデルであるとも言われた、水陸両用生活をするイタチの仲間。

全国に分布してかつては民話にも登場したこの動物はしかし、日本ではもう幻となってしまった・・・絶滅した、とは言われないものの、生きた姿はおろか死体や痕跡さえもここ10年ほど途絶えたままである。



こんなわけで、かつての日本人はともかく現代の日本ではカワウソに会いたければ、動物園か水族館に行くしかないのです。そういうところで飼われているカワウソはおおむねカナダカワウソかコツメカワウソで、コツメカワウソはその名前の通り足の爪がとても小さく、指の先にちょこんと付いている、カワウソの仲間では小形の種類です。

南米にいるオオカワウソが最大で、北米のカナダカワウソ、ヨーロッパや、ニホンカワウソと同じ仲間のユーラシアカワウソ(朝鮮半島、かつての北方領土にはまだいるらしい)は、残念ながらどれも数を減らしていて絶滅が心配されているものもいます。

それは、良質な毛皮のために狩られたこともひとつですが、彼らが魚を主食にしていること、そしてとてもたくさんの食料を必要とすることによるものが大きいと思われます。

そのことは同時に世界中の川が人に利用され、形を変え、かつては豊富にいた魚も減って川自体の健康を損なっているということに他ならないとわたしは思います。考えてみてください。かつて海を回遊してきた魚が川をさかのぼって産卵にやってくる季節、川に石を投げたら魚に当たる、といわれた北海道の川もしかり。

初夏にはたくさんの稚魚が湧いたかつての浅瀬や川縁のワンド(雨が多い季節には川になり、減って取り残された水たまり状の池)も、今はコンクリートで固められたりしています。

今は昔、川が豊かに生きていた頃は大食漢のカワウソも、狩りがへたくそなシマフクロウも、当たり前にその辺にいたのです。

人が魚を捕ってしまった?そういうところもあるかもしれませんが、川のカタチが変わり、魚も水も自由に行き来出来なくなって川が死んでしまったのです。

川が死んでしまえばカワウソは生きられない・・・考え方によっては、日本の川漁師もカワウソと同じようなものです。川とともに生きてきて、川が死んだら生きられない・・・もっとも人は漁師をやめても別の職業につくことが出来るかもしれませんが。いま、世界中で食料や燃料とともに水の問題がとても重要になってきています。人の体も、生き物の体も、地球自体も水で満たされている。なのに、川が死んでしまったら、やがて海も死ぬかもしれません。

カワウソ→カッパ→水神→水の循環をまもる妖精(妖怪?)みたいな、ちょっと不思議でかしこい動物。

実際彼らはとても遊び好きで、好奇心の強い生命力にあふれた狩人です。手足の指も人と同じように5本づつあって、手をとても上手に使うし、なんだか親近感ありますよね。

以前、カワウソ研究者が「ミジビル」と名付けて飼っていたカワウソの話を本で読んだことがあり、とてもうらやましかった覚えがあります。

もし、何か一種類野生動物を飼育するとしたら、絶対カワウソ!と思ったものです。実際にはカワウソの飼育はおそらく、おそろしく大変で、なにしろ新鮮な魚をたくさん用意しなくちゃいけないし、プールもいるし、何でも魚臭くなりそうだし~第一あんな魅力的な生き物を、狭いところに閉じこめて自由を奪うのはひどい罪悪感でしょう。

この頃、とても珍しい南国の魚から、猛毒のヘビまで、お金さえ払えば日本にいて手に入らないものはない(少ない)のではないかと思うくらい。

生き物好きな人間のこと、違う種類の生き物と一緒に暮らしてみたい気持ちはあるけれど、彼らが現地での自由な暮らしを奪われて捕らわれの身になり、はるばる日本に連れてこられることを考えると胸が痛みます。

やはり野生動物はもとのすみかに。その愛らしい姿や珍しい習性を見たければ、映像を見るとか、彼らを大切に養っているそのような施設に出かけるのがいいと思います。


人が作り出した、一緒に暮らすことが出来る生き物はすでにたくさんいるんだし、一方で不要として捨てられる犬や猫もたくさんいるのですから。

ああ、話が脱線してしまって・・・コツメカワウソ。

そんなわけで、期間はあと少しですが、海遊館さんの夏の企画展のために。以前製作したニホンカワウソの子供(商品としてはすでにほぼ絶滅)を下敷きにして、たくさんいただいた資料画像を参考にコツメカワウソ親子を作りました。ほぼ実寸、体重入り。あのかわいいコツメカワウソの赤ちゃんをだっこしてみたい方は、これでがまんしてください。

海遊館
Webサイト http://www.kaiyukan.com

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2008年7月25日金曜日

ツキノワグマ

今年はなんだかクマ年だ。年の初めにツキノワグマの頭部をかたどった帽子と手袋のセットを作り、そのあとクマタカ・・・これは鳥だけど、クマがついてるし。

あとドングリをひっくり返してヒグマっていうプランが進行中(マル秘)。そうこうするうちに、クマの企画展というお話が・・・そこで作ったのが5匹の子ぐまたち。今年巣穴から出てきた1年目の子ぐまを想定して、企画展の企画者である博物館のY氏から資料画像をいくつか送っていただいて、ぬいぐるみだけど、本物っぽい感じの子ぐまたちを作ってみました。

すぐ上のメニューバーを使って詳細をご覧下さい。
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時間などの制限があって、一つずつ別々のポーズにする余裕はなかったんだけど、みんな同じじゃつまんないので、首を右に曲げたり、左に曲げたり、少しだけ上を向いたり、かしげたり・・・それから横目で見たり、という「小細工」をしてみました。

そうしたら、仕事場で5匹の子ぐまたちはまるでいたずらの相談をしているみたい!でしょ。



今年になって、というより手元で作る一点物はそれぞれ使用目的に合わせて製作するので、大きさや重さ、質感など、出来るだけ本物に近く、というのが多くなってきました。一口に体重や全長と言っても、頭部と胴体の割合や首の長さ、頭の幅とか体の太さなど、感覚的には意識していない部分のサイズが、製作するときには必要だったりします。



そしてなにより全体のバランスが重要で、それがちょっと違っているだけでも、なんとなくほんものの感じが出ない。そこで、最近は資料として骨格の画像をいただいたり、標本の頭骨をお借りしたり・・・資料について以前より欲張りになりました。もちろん、ぬいぐるみとして鑑賞するだけなら、その動物のかわいらしい仕草や特徴をいったん頭に入れて、それをディフォルメしたものを絵にし、そして立体に加工すればいいのです。



それが実際のいきものとかなり違っていても、似顔絵みたいに、それに見えて楽しければいいのですから、いろいろな作り方が出来ます。しかし、実際にその生き物をよくご存じの方々が、その生き物についてもっとよく知ってもらおう、と言う場所で必要とされる「ぬいぐるみ」はいわゆる標本(剥製とか)を代行するものであったり、大きさや重さを体感するものであったり、色や質感が実物に近い必要があったりと、標本を代行するレプリカに近いものが要求されたりします。



材料が布主体であることや、表現に限界はあるものの、かえってそれがレプリカにはない暖かみになったり、生きているように見えたり、プラスになることもあるような気がします。そして、なによりもそれに見える、というシルエットを作るためには、骨格を見るのが一番いいと最近感じています。表面を見て、羽毛や体毛に隠れている骨格や筋肉を見ないで作ると、写真のような平面的なシルエットになってしまうような・・・骨格を動かすための筋肉を想像し、生きている姿を思い浮かべて内側から組み立てることによって、その生き物の動きが出せるような気がします。

生きている姿を絵に描いて、そこから作っても同じこと、のようですが、どうもわたしにとっては違うみたいなのです。

ぬいぐるみのようで、レプリカみたいで、本物と間違えそうだけど、やっぱりぬいぐるみで、かわいかったり、重かったり、びっくりしたり、そのうちほんものに会いたくなったり、もっと知りたくなったり・・・そんなものづくりを目指して、もっと精進しようっと。それが、ほんのわずかでも、ほんものたちの役に立ったらとってもうれしいんだけど。それはなかなか難しいね、クマさんたち。



それで、5匹の子ぐまたちはここにいます。

Y氏は日本を代表するのクマ研究者。学術的なことから人とクマの関わりまで、一種類の動物をとりあげた企画展はあまりないので、できればわたしも行ってみたいと思います。企画展は7月12日から9月21日まで(月曜休館)とロングラン、夏休み中はいろいろなイベントもあって楽しそう。博物館の周りも自然の景観が残っていて、常設展も見応えがあります。近くの方はこの機会に一度、出かけてみてください。


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2008年7月18日金曜日

クマタカ

今回の作品は「クマタカ」です。


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実物よりほんの少し大きいかもしれません。山形県の猛禽センターで、教材、あるいは展示用として使われることになりました。

じつはクマタカを製作したのは3度めです。

飛翔している猛禽では、ほかにイヌワシも2度、あとカラスも1羽作りました。鳥の羽を作るのはなかなか難しく、製作の方法もどこかに既存のやり方があるわけではないので、すべて手探りでした。



何度か作るうち、また今回は猛禽センターの方に無理を言って出来るだけの資料を用意していただいたので、製作の手順もかなり進化してより本物に近い形を作ることが出来たと思います。くちばしや爪は、ほんものの標本をお借りしてそれを見本に樹脂で作り、サイズを計測した値から割り出して細部の部品を作り、最後はたくさんいただいた画像を参考に羽1枚ずつ模様を描きました。




全体として白や淡色で鳥の体を作り、それを立体塗り絵のように彩色していって、仕上げたものです。

羽の素材はシルク、それを入手するにあたってはちょっとした苦労がありました。素材のシルクはアートフラワー用のもので、裏に糊を張ってハリを出したものなのですが、これを加工していた会社がご時世でなくなってしまい、生地は配給!・・・とのこと。

やっとの思いで必要量以上を確保(今後同質以上のものが入手出来る可能性は不明)し、胴体の生地(淡いページュのこれもすでに廃盤在庫僅少)を出来るだけ効率良く裁断して・・・その前に足の爪とくちばしを作り、それを組み合わせて頭部と両足を製作。




そして羽の部分を3つのパーツに分けて(1枚ずつ×10枚)+(数枚分で1枚)+(1枚ずつ×3枚)を裏表2組、×左右の羽で2倍、それと芯を各1枚裁断。それらを羽軸のワイヤー(重くなく、まっすぐの状態を保持するため、番手が重要)を挟んで接着、そして一枚ずつ再度整形。それからワイヤーを補強しつつ翼を形成。そして尾羽も同様に数枚のパーツで製作し、胴、頭部、尾を組み立てて全体の大きさを決め、それに胴の生地を縫ってかぶせ、羽の前部を覆う生地を裏表かぶせて白い鳥の体が出来る。




次にこれを着色するわけですが、なにしろ大きいので置く場所も必要だし、左右対称にするためには少しずつ右、左、と着色しないと色に濃淡が出てしまう・・・などなど、一筋縄ではゆかないのです。しかも全体を形にしてからの着色なので、失敗は許されない!ということで、かなりの時間と手間がかかりました。

最後に整形しておいた足を取り付け、その部分に着色してようやく出来上がり。

頭部にはカットや細かい彩色をして冠羽を作りました。そうして出来上がったクマタカの記録画像を撮るべく、後ろの緑を背景に撮影していたら、近くにいた人たちが本物かと思ってまわりに集まってしまいました。

クマタカは、はっきりした模様もあってかなりインパクトが強いので目立ちますよね。

しかも翼開長1.8メートルという大きさですし。こんな鳥がこんなところにいるわけはないのですが・・・しかも簡単に持ち上げられて・・・クマタカ自身は標高の高い山などに広い縄張りを持って狩りをする、タカの仲間では大型の鳥ですし、日本では数も減ってしまって野生の姿を見るのはとても難しい鳥です。

かつてはオオタカとともに鷹狩りにも使われたようで、日本画の題材にもよく使われているのですが、今では実際に見ることは難しく、大きさを実感するのも難しい~ということで製作をさせていただいた次第です。

かれらは大きくて美しいというばかりでなく、山地の生態系の頂点に立つ生物の豊かさを象徴する生き物という意味で、日本の自然になくてはならない存在です。そんないきもの、大型の猛禽類や、熊たちが今、置かれている状況を考えると胸が痛みます。

それはいずれ、われわれ自身にも返ってくる未来を暗示しているかもしれません。とはいえ、わたしのところから巣立った1羽のクマタカが、猛禽センターで出会うたくさんの人たちに、何かを伝えるお手伝いが出来たらいいな、と考えて作品づくりの糧にしたいと思います。



そして、最後の大仕事。それは、梱包です。

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