ぬいぐるみの国内生産にこだわる理由

kokunai seisan ni kodawaru wake

やまね工房のぬいぐるみについて

「手作り」と「機械化の限界」

ぬいぐるみというのは、どんなぬいぐるみでも今のところ、たとえば機械が全部 作ってくれて出来あがりがポンと出てくる、というようなものではありません。
つまり、そのほとんどの工程は人の手で行われ、それがどこの国で作られようと ひとつひとつそれぞれの部分を手をかけて仕上げないと出来あがらないのです。

たぶんほかのどんなものでも、様々な工程を経て出来上がる「もの」は、たとえその工程の一部に機械化があったとしても、人の目や手が関わらないものはないでしょう。そして、その仕上がりにはそれぞれ熟練した人たちの技術や「カン」が必要なのだと思います。そのためには当然、ある程度たくさんの量を作る経験 や、その仕事に対する自負も必要でしょう。

「職人的技術」

あるとき、ぬいぐるみの生地について生地屋さんとお話ししていて、その仕上が りが、温度や湿度、色の濃さや工程によって全然違うということを聞きました。
日によって違う温度や湿度、材質や色の違いを全部マニュアル化するのはなかなか困難です。もちろん、コンピュータ制御などによってある程度は管理できると思いますが、それはたぶん不良もないかわりに、良く出来たという満足感もないというものでしょう。

「似せもの=偽物 ではない」

ぬいぐるみは、ある生き物に似せた、意匠のある「もの」なので、素材選びはもちろんのこと、細かいディティールやその生き物への理解、また愛着などが出来あがったものに大きく影響します。
特に、やまね工房のぬいぐるみたちのモデルは、日本に住む野生動物たちで、その表情については、一点づつ仕上げる方法にこだわっているので、それを仕上げるためには製作現場とずいぶんたくさんのやりとりをしました。そして、たくさんの時間をかけて、共同製作したのが、いまのぬいぐるみたちです。これこそがやまね工房が国内生産にこだわる「理由(わけ)」です。

「道具・日用品などの{もの}はこころ / つくる=伝わる」

やまね工房の代表である落合けいこには、「もの」は「こころ」であるという持論があります。
ものを作るという工程には、いいものを作ってよろこんでもらおうとか、やまねという動物をみんなに知ってもらいたいな・・・とか。ほんのささいなことでも「思い」があって、それは必ずその「もの」を介して相手に伝わると思うのです。 身近においてかわいがったり、大切に使う道具にも、作り手と使う側には何かそういう信頼関係があると思うんですね。だから、そういう意味で製作工程を大切にしたいと思っています。

「日用品や食べものに必要なもの・・・手間=愛=人件費」

このところ、日本国内の零細製造業は、そればかりか農業まで通貨の格差で営業が厳しくなっています。つまり、国内で材料を仕入れて作る人の人件費を払ったら市販されている輸入物との価格差が何倍にもなってしまいます。なにかよほど特別なものでもない限り、何倍もする国産品を買ってくれる人はたくさんはいません。つまり、なりたたないのです。まさに絶滅寸前といったところで、残念ながらこれは事実です。ではなぜ、やまね工房はまだ絶滅しないのか?理由は3つあります。

「(まぼろし)はなぜ存在しつづけることが出来たのか?」
「奇跡=応援者の存在・スタッフの存在・これ以上ないくらい小さな規模」

ひとつは応援してくださるファンのみなさまがいらっしゃること。そして、ひとつはとても小さい規模でやっている、ということ。さらにもうひとつは、この仕事がほんとうに好きで、商品を大切に思ってくれる製造スタッフがいること、の三つです。

もちろん、海外においての製造が良くないということではなくて、むしろ近頃では中国での製品など10年くらい前に比べると、熟練した技術がうかがえるものもあります。これから、新しいものを作るためには、中国の作り手にお願いしなければならないこともあるかもしれません。

けれど、定番の「日本の野生」ぬいぐるみたちは、一日でも長く、出来る限り国内で作り続けたいと思っています。

やまねができるまで

落合けいこがデザインするぬいぐるみを丁寧に仕上げるのは、(株)遠藤玩具製作所さんです。
遠藤玩具製作所さんのメモリーテディベア・ウェディングテディベア

切り取った生地を縫製。ミシンと手作業による細かい作業。
出来上がったやまね。これに綿を入れる。
綿詰め作業。綿の量と入れ方のバランスがぬいぐるみのフォルムに影響を及ぼします。技術を要する作業。 
綿詰め完了、これから仕上げ作業に。
綿の詰め口は閉じられたが、耳と 背中のすじがない状態のやまね。
かぎホックを口とおしりに付けてブラシで毛並みを整え、最後に背中にすじを描き入れる。いよいよ完成間近。
最後に顔の毛をきれいにカットし、下げ札を付けて、やまねの完成。