●1988.5.15 やまね工房通信 No.6
 今年のゴールデンウイークは十連休なんて人もいたようで、どこもたいへんな人出でした。
 そんな混雑のある日、近くの山にふくろうが巣をつくり、ひなを育てているという情報がはいりました。
 ここ何年も、その巣では密猟者にひなを盗まれているといいいます。今年こそは、無事にひなを巣立たせたいということで、見張りをしているのです。
 本当は見張りのピンチヒッターを頼まれたのでした。でも結局ピンチヒッターは役に立たず(別の人がみつかった)、でもこの目で確かめたくて見に行きました。
 巣は人が一人では抱えきれないくらいの大きな木にありました。ふくろうが巣を作ることのできる大きな木は、多くありません。ようやく作った巣です。それなのに、その巣からひなを盗られてしまうなんて・・・・。
 どうか無事に巣立つことができるように、そう願わずにはいられませんでした。 

 風薫る五月。緑の芽吹きが鮮やかな季節です。
 気持ちの良い陽気に誘われて、散歩にでかけてみました。のんびり歩いていると、日頃気付かないものが見えてきます。
 枯れ木だと思っていた木が緑の芽を出し、名前の分からない花が咲いていたりします。
 いままで姿を見かけなかった鳥が飛んでいたり、季節の移り変わりは、あっというまです。
 忙しい毎日の生活の中で、鈍ってしまった感覚を使うよい機会です。
 眼、耳、鼻、手、皮膚などを総動員して、季節を感じてみませんか?
 きっと思わぬ発見があるはずです。

●ちょっと渡り鳥のおはなしをしましょうか?

 渡りというのは、季節によって繁殖地と越冬地を往復する移動のことです。
 ひなを育てるのに適した土地、厳しい冬を越すのに適した土地を選んで、鳥たちは飛んでいきます。

 渡りのコースや時期によって、夏鳥、冬鳥、旅鳥、漂鳥、留鳥といいます。
 夏鳥は、夏に日本に飛来して越冬します。カモ類、ハクチョウ、ガンなどがそうです。
 旅鳥は、日本よりはるか北方で繁殖し、越冬地は日本より南方にあります。このため、春と秋の二回、渡りの途中で日本に飛来します。シギ、チドリ類など。
 漂鳥は、国内を移動する小規模な渡りをする鳥です。ウグイスなど。
 留鳥は、オナガやスズメのように一年中同じ地域に留まっている鳥のこと(ただし、スズメの若鳥はかなり長距離を移動する)。

 はるばる飛んできた渡り鳥が、羽を休める場が減っています。
 鳥と共に暮らせるように、残された湿地、干潟、山林を大切にしたいものですね。



※文中のデータなどは、当時のものです。

絵・文 片山文恵・落合けいこ
編集 片山文恵