●1990.01.31 やまね工房通信 No.24

 正月気分にうかれていたら、あっという間にひと月が過ぎてしまった感じです。

 寒さはまだまだこれからが本番ですが、暦のうえでは、まもなく春。
 年のはじめには気合いを入れて掲げた目標が、早くも変更されたなんて人もいるのでは?

 受験生はいまが一番きびしい時期ですね。 この冬は、悪性のかぜが流行っています。高熱を出してダウンなんてことのないように、くれぐれも体には気をつけて頑張りましょう。



●住宅難あれこれ

 日本中、どこへ行っても地価の高騰が取りざたされるこの頃。マイホームなんて夢のまた夢、高い家賃に消費税までが加算され、踏んだり蹴ったりとはこういうことを言うのでしょうか。
 一方、生物界もご同様。すみか探しは、いまや重大問題となっています。

 ちょうど今、冬鳥たちが各地で羽を休めています。ところが、昨年越冬地として使っていた場所が、今年もまた利用できるというわけではありません。たんぼが消えたり、川が汚れてしまったりと少しずつすみかが狭められていきます。その結果わずかに残された沼や池に、ひしめきあって暮らさなくてはならなかったりするのです。

 山にすむ生きものたちも状況は同じく厳しいものです。巣をつくるのに欠かせない大きな木が根こそぎ切られてしまっては、クマやシマフクロウなどは、子どもを育てることもできません。
 豊かなめぐみをもたらしていた木々を切り、単一の杉の林にされたのでは、どこから餌をとればいいのでしょう。探し回って里に迷いでれば、すぐに害獣だと、鉄砲で追い立てられてしまうのですから。

 私たちにしても彼らにしても暮らしに必要なものは同じではないでしょうか。きれいな水、空気、食料、居住空間など、どれもなくてはならないものです。
 お互いに無関係に生きているわけではないのですから、人も生きものも共に暮らしていくために考えなければいけない時期だと思います。


●日本の野生シリーズ くらかけあざらし

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●工房NEWS

 あたたかな日ざしに、梅のつぼみがふくらみ、もうひと息というところに初雪が舞い下りてきました。
 雪がやんだ朝、小枝に止まったメジロやシジュウカラが、何か言いたそうにこちらを見ていました。
 野に住むものにとってこれからが一番つらい季節。気がつくと、ナンテンもセンリョウの実も、ほとんど枝に残っていません。雪の前はくっついていたのに、早起きの鳥が食べてしまったのに違いありません。これから少しの間、庭におやつを出してあげようと思っています。
絵・文 片山文恵・落合けいこ
編集 片山文恵