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| ●1990.09.10 やまね工房通信 No.30 | |
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| 「暑いわねー」が、思わず口に出るこの夏の暑さ。それでも、日没後の風には秋の気配が感じられるようになりました。虫の声もにぎやかです。 「暑さ寒さも彼岸まで」のことわざのように、少しずつ涼しくなるのでしょうか。 暑さの夏を存分に楽しめなかったので、これからの気持ちのよい季節をまえに、遊び虫(?)がうずうずしているところです。 |
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| ●工房ニュース びっくり!ニュース。 夏のある日のこと。熱海の工房では、接する自宅に何者かが侵入しました。 絵の具のチューブやらいろんなものが散乱していて、チューブには歯形がついています。 そして、気がつくと、いつも座布団に座っていたオオカミのぬいぐるみがありません(他には何もなくなったものはなかったのです)。 犯人は誰か? あとから犯人がニホンザルの若者であることがわかりました。 その後10日以上たって、今度は工房を訪れたサル君、皆の前でとんだりはねたりのデモンストレーションをしました。そして、そのあと彼がまだぬいぐるみを持ちあるいていることがわかったのです。 このごろ、熱海はマンションブーム。開発の手で住みかを追われ、きっと精神的にも何かきびしいものがあるのにちがいありません。 |
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それにしてもオオカミのぬいぐるみ・・・・。 大事にしてくれるなら、ま、いーか。 (追記)このあと警察が来た(サルの件で)ので、ぬいぐるみをとられたと言ったら、ぬいぐるみの特徴を聴かれた。取り返してくれるつもり?だったらしいが、サルにあげるからもいいと言っておいた。 あちこちの家に侵入したりして、被害があったらしい。 |
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●アカテガニの放仔(ほうし) ![]() 神奈川県の三浦半島に小網代と呼ばれる森がある。 夏の大潮の夜、森にすむアカテガニの雌は谷を下り、小網代湾の海辺へと向かう。おなに抱いたゾエアと呼ばれる幼生を海に放しにいくのだ。 8月の大潮の日、アカテガニの放仔(ほうし)を見に出かけた。 夏の海岸に向かうというのに、長靴をはき、長袖を着込んでの異様ないでたちは、毒蛾などの虫よけとぬかるみの藪こぎに備えて。 春先に一度訪れているとはいえ、森の様子は一変していて、用心しないと迷子になりそうだ。背丈を越えるほど伸びた草に行く手を阻まれ、藪をかきわけて進む。汗とどろんこでグチャグチャになりながらも、ちょっとした探検気分を味わえる(ただし、帰路の電車では好奇の目にさらされる覚悟が必要)。道中、大きなヤンマが飛んできたり、海に向かうカニに出会い、わくわくしてくる。 日が落ちると、あたりは真っ暗やみ。懐中電灯を向けると、お腹にあふれるほどのゾエアを抱いた雌のカニが、海岸に下りてくる。 波がくるのを見計らったかのように、水の中へ突進して行く。この瞬間、ゾエアが海に放たれたのだ。 雌のカニが次々に現れては、放仔を続ける。ゾエアを狙って、魚たちも集まってくる。このうち、何匹が成長して戻ってくるのだろうか。 また来年、会いに来よう。 ここ小網代の森にも、ゴルフ場の建設計画がある。 |
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| 絵・文 片山文恵・落合けいこ 編集 片山文恵 |