●1992.07.25 やまね工房通信 No.44
 7月にはいって、著さもぐっと「本物」になってきました。クーラーをフル回転しはじめたオフィスや家庭が多いのでしょう。道を歩いていると、そこここで室外機から排出されたムッとする熱気を浴びます。「夏」を実感させられるこの熱気、新しい夏の風物詩でしょうか?
 暑さにげんなりしながら街路樹の木陰に足を向ければ、ふと涼しげな風。排気ガスとコンクリートの照り返しの中に立ち続ける木が、とてもいとおしくなりました。

●お知らせ

★NEW FACE!
・・・オロロン鳥(ウミガラス)登場・・・

 皆さんは、ウミガラスという鳥をご存じでしょうか。日本では北海道天売(てうり)島で繁殖し、繁殖期以外はほとんど海の上で過ごす、ちょちとペンギンに似た鳥です(中面の「日本の野生シリーズ」参照)。
 最近、天売島では数が激減してしまい、今年はわずか40数羽(それでも少し回復したそうですが)が、地元の人に見守ちれながら繁殖の時期を迎えています。
 工房では、天売島の「オロロン鳥基金」に協力して、ぬいぐるみのデザインをしました。大小ふたつの大きさで、天売島で販売されています。 同時に、やまね工房としてもオロロン鳥のぬいぐるみを販売し、売り上げの一部で基金に協力しようと思います。どうぞよろしくお見知りおきください。
      
(追記)天売島では、今でもオロロン鳥保護のための活動をされています。なかなか協力できません(たくさん売れないので)が、オロロン鳥のぬいぐるみは現役です。

ネイチャーライブ

●パンダナもよろしく!
 遅れていた新柄2柄が出来上がり、販売中です。ヨロシク!

  野原からの贈りもの
  ガンとカモのなかまたち 各4色‥・・8タイブ
 
※現在も2色は販売中です

日本の野生シリーズ うみがらす

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れんさい 第4回

●ある春の日に
 10年以上も前のこと。オホーツク海に面した小さな湖のほとりですごした、春の日々・・・・。

絵と文・落合けいこ
 ついこの間まで、湖面にはたくさんのハクチョウやカモたちが休々でいたのに。
 いまや湖面の住人は、わずかばかりの居残りのカモと、旅の途中のアジサシやシギにとってかわられている。

 ハクチョウは旅立ちが近づくと、くる日もくる日も、ちようど我々が眠りにつこうとするころ、互いによく通る声で鳴きかわしていた。
 その声は、姿に似合わず太く、するどいもので、まだまだ冷え込む夜の大気をひき裂いた。きっと速くの仲間のところへも届くのだろう。
 太古から続く種族の声、風のにおいや陽射しの色、星のまたたきが、彼らを導くのだろうか。

 そんなことを考えながら、そのどこかさびしげな音響のなかで、人は眠りにつく。
 今日いちにち、何事もなく終わったことに感謝しつつ。

・・・・つづく

上・オオハクチョウ 下・トウネンの群れ

●工房ニュース

☆熱海発
 ホタル発見!たった1匹だったけど、青くて黄色いあの光は確かにホタル!

☆網走発
 今年は、ちっともあたたかくならない網走。おまけに、梅雨がないはずなのに雨ばかり。
それにめげずに、オロワン鳥づくりにはげんでいます。
 この7月には1周年を迎え、熱海スタッフがみんなで網走を訪問しました。



 6月にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで国連の地球サミットが開かれたのは、ご存じのとおり。「環境問題は、まさに南北問題だなあ」と、ことの複雑さを思い知らされます。
 サミット会場のまわりでストリート・チルドレンたちが、「サミットなんかクソくらえ!」と書いたプラカードを手にデモ行進をしている映像をテレビで見ました。エコロジーうんぬん以前に、「生き延びること」に切実な人々がたくさんいます。

 ところでサミット直前の5月に、サンパウロのファベーラ(貧民街)を訪ねる機会がありました。次号通信で、そのときのお話をしたいと思います。

絵・文 下郷さとみ・落合けいこ
編集 下郷さとみ