●1993.07.20 やまね工房通信 No.48
 いよいよ梅雨明けです。
 お日様のまぶしいこれからの季節、一年のうちでいちばん生命力のあふれる時です。
 高原の朝つゆや、海辺の潮溜まりを訪ねる計画を練ってはいかがでしょうか。
 運が良ければ、そこで太古の昔から続く生物たちの営みを、かいま見ることができるでしょう。



 ブラジルに行っていた下郷さとみさんが、6月末にいったん帰国されました。今回は彼女の住まいをイラストでご紹介します。

(シャカラ 田舎の家)
 サンパウロ市郊外のモンチ・アズールからバスを二本乗り継いで一時間ちょっとのところにある。


日本の野生シリーズ とのさまがえる

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れんさい 第8回

●ある春の日に
 10年以上も前のこと。オホーツク海に面した小さな湖のほとりですごした、春の日々・・・・。

絵と文・落合けいこ
 畑の向こう側にある谷地は、昔、馬を放牧していた所で、斜面には死んだ馬の墓があった。事故等で、突然馬が死んだ場合、その体から血液を抜く事が出来ず、食肉にならない。そんな馬は、そのまま丸ごと地面に埋めたのだという。

 かつて馬と言えば農家にとって大切な労働力であり、畑の肥料の源であり、ある時は収入源ともなり、よくよくの時には食料になるというこの上もないパートナーであった。そんな馬が突然亡くなり、食べられる事も出来ずにそのまま埋められるというのは、農家にとっても、馬にとっても、大変に不幸な事だったろうと思う。
 この地の厳しい自然を相手にして暮らしをたている事の辛さを、ほんの少しだけかいま見た気がした。

 聞けば、秋や冬、土がもう凍れて(しばれる→凍る)しまって掘れない時、馬は土中に深く埋葬出来ずに、そのまま雪に埋もれたらしい。そして春になった時そこには馬の姿は無く、僅かに骨が残っていたという。それは冬の間のキツネの食料として、格好なものだったに違いない。

 それにしても今は、びっしりと茂った笹の下の方に、雪解けの水がわずかにせせらぐ静かな谷地が広がっているばかりである。

・・・・つづく

●工房ニュース 

☆熱海発

 6月の終わり、各地でホタルの便りが聞かれます。我が工房裏山のホタルは、はたしてまだ生存しているのだろうか?
 ある夜、犬を道連れに暗い草ぼうぼうの中、確認に向かいました。待つこと約5分、孟宗竹の高い葉先に、ぴかりと光るものが・・・・。
 と、そのとき、反対側の山のほうから、何やら鳴き声が聞こえました。

 「ゴロスケホウコウ」「ホウホウ」

 ふくろうです。何年ぶりでしょうか、はっきり聞こえます。二つの声は、続けて聞こえますが、最初のがオス、後のがメスの二羽で鳴き合いをしているのだと聞いたことがあります。ふくろうのつがいがいる!

 たった一匹のホタルと、ふくろうの夫婦、どちらも元気で仲間を増やしてくださいと、祈らずにはいられませんでした。

・網走発

 北海道はこれからがベストシーズン。工房の周りにはラベンダーが咲き、裏庭には道産子馬の親子もいます。また、ショップではぬいぐるみのほか、地元の登り窯で焼かれた陶器や、木工品なども置いています。

 お近くにご旅行の際は、ぜひお寄りください。

※現在、裏庭に道産子馬はいません。

絵・文 落合けいこ
編集 落合けいこ