●1994.10.15 やまね工房通信 No.53
 今号製作中に、テレビのニュースで北海道大雪山系の紅葉が見頃になったと、放映されていた。通信が発行される頃には、紅葉前線も南下していることだろう。あなたも紅葉狩りの計画を立ててみてはいかが?

 ワープロの故障で、前回手書きの通信を製作したところ、FAXで手書き賛成の声をいただいたり、スタッフからも「手書きでいこう!」の意見が出て・・・・。それで今回も手書きです!!

●工房ニュース

・熱海発

 9月のはじめに、飛行機を乗り継いで出かけたのは、静かで緑濃い日本海に浮かぶ対馬。 ここは文化と歴史、生物層から見ても島というより、まさに大陸の一部という感じ。ここにはイリオモテヤマネコと並び、日本の野生ネコである「ツシマヤマネコ」が生息している(野生ネコは世界中でライオンやヒョウを入れても約40種しかいない)。
 しかし、多くの野生動物同様、生息数は少なく、50頭程度と推測される。地元の人たちや、行政、研究者などで「ツシマヤマネコを増やしていこう」との計画があり、そのための催しにぬいぐるみと共に参加してきました。

 共存していくのは難しい事ですが、それは私たち人類の義務でもあります。地元の方々の努力を応援したいと思います。

・網走発

 北海道ではサケのことを「あきあじ」と言います。ここ数年は豊漁が続き、今年は網走川にもたくさんの「あきあじ」が上がってきて、なんと!工房のそばの下水(湿地の排水路)にまで・・・・。彼らはかなり細い流れでも遡り、ついに畑に乗り上げてしまうこともあるとか。
 その一方で、たくさんのサケが捕獲され、採卵、人工ふ化させられます。近年の豊漁は「サケマスふ化事業」の成果かもしれません。

 かつて、サケがアイヌの人々や熊やシマフクロウにとって「神の恵み」だった頃は、今年のようにたくさんのサケが川を上ったことだろうと思います。もちろん網を逃れた少数のサケたちが、昔からの営みを続けてはいますが・・・・。

日本の野生シリーズ クマゲラとアオゲラ
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れんさい 第13回

●ある春の日に
 10年以上も前のこと。オホーツク海に面した小さな湖のほとりですごした、春の日々・・・・。

絵と文・落合けいこ
 こごみは少し伸び過ぎのや、まだくるくるにまかっているのもあったけれど、ちょうど良いのがけっこう見つかった。
 10センチぐらいに伸びたのが一番上等。これはよく見ると、とてもきれいなグリーンで、きちんとたたんだ羽状葉を順序よく開いている。なかなかに造形的で神様の芸術的センスがうかがえる。
 「ほうし」が飛ぶのだろう。ひと株見つけると、すぐ近くにいくつも見つけることが出来る。これがもっと成長すると「クサソテツ」の名のごとく、明るいみどり色をした「ソテツ」が地面からいきなり天をあおぐ。

 もっとも、こいつが天を仰ぐ頃には、彼の「天」はいっぱいに枝をのばした木々の葉や、これから出てくる様々な夏草の若い芽にすっかりおおわれてしまうだろうけれど。

 つづく

●るりの身近な自然

 前号でお伝えしたメジロのヒナの、その後についてお知らせします。

 8月30日に、やまね工房から自宅に戻ると、FAXが届いていた。発信元は伊豆のシャボテン公園内の伊豆資源生物アカデミーの矢島先生からだった。

 「前略 8月9日にお預かりしましたメジロですが、その後順調に育ち、野性に戻しました。まだ時折エサを食べにきますが、もう大丈夫だろうと思います。一応お知らせまで・・・・」

 とのうれしい内容だった。時折エサを食べに来る・・・・。その様子が目に浮かび、先生が本当に愛情を持って、メジロを育てて下さったことに、大変感激致しております。

 通信の誌面を借りて、矢島先生とご協力下さいましたシャボテン公園のスタッフの方々に、心よりお礼を申し上げます。

絵・文 高橋るり 落合けいこ
編集 高橋るり